『えんとつ町のプペル ボードゲーム』柔軟な思考で最短ゴールを見極めよう! ちょっぴり燃えた話題作

『えんとつ町のプペル』アイキャッチ

ニャルラ
ルルイエ屋根裏堂(@Rlyeh_yaneurado)へようこそ!

この記事では、『えんとつ町のプペル ボードゲーム』を取り上げさせて頂きます!

『えんとつ町のプペル』ボードゲーム

取り上げるのね。

ハスナちゃん

なにかあったーの?

ショゴたん

ニャルラ
えーとですね……
炎上してたやつであるな!

クトウさん

言い方

ハスナちゃん

ニャルラ
そのあたりについても触れてはみますが、興味のない方は飛ばし読みしてくださいませ。

そもそも私、『えんとつ町のプペル』って絵本が結構好きで楽しみにしていたんですよね。

ニャルラ
良くも悪くも興味深い作品ですので、感想を共有させて頂ければなと思います。
ニャルラ
この記事に関しては、過度に私見が混ざっています。

ご容赦ください。

『えんとつ町のプペル ボードゲーム』ってどんなゲームなの?

プレイ人数:2人,3人,4人,5人,6人,7人,8人

プレイ時間:10〜20分

対象年齢:4歳以上

絵本『えんとつ町のプペル』を題材にしたボードゲーム

ニャルラ
その名の通り、タイトルをそのまま冠する作品です。

同作品の世界観をボードゲームで再現することを目指された作品とのことです。

とのことです?

ハスナちゃん

ニャルラ
色々考えたのですが、世界観とシステムの関連性が私にはちょっとよく分かりませんでした。

制作はstudio PREBOさん

ニャルラ
様々なゲーム会社のボードゲーム好きが集まって結成された、ボードゲーム制作会社だそうです。

2020年春のゲームマーケットで初出展を予定されていたそうなので、比較的新しい制作集団さんです。

ネットで見る限り感じがイイな思いました。

他にもいくつか作品を発表されています。

絵本『えんとつ町のプペル』について

ニャルラ
ご存じの方が多いと思いますが、お笑い芸人のキングコング西野亮廣さんが発表された絵本です。

ブロードウェイミュージカル化に挑戦していたり、VR化されていたり、各地で絵本の展示会などを開催されていたりと、多岐にわたる展開をしている珍しいコンテンツです。

そのすべては2020年冬に控えている同作品の映画公開のための布石なんだとか……。

ニャルラ
脱線しました。

でももう少しこの絵本の特徴について説明しておかないといけません。

この絵本、製作費はクラウドファンディングで調達されていて、本来、絵本の商業規模では不可能な分業制で制作されているのです。

複数人で制作したってこと?

ハスナちゃん

ニャルラ
ですね。

ざっくり言えば、得意分野の異なるプロたちが力を合わせてつくり上げた作品ということです。

ニャルラ
そしてもう一つ特徴的なのが、著作権の所在を意図的に曖昧にしているという点です。

これは、2次利用を活発にすることで、作品の認知度をより高めることを目的としているようです。

さらに、当時の出版業界では考えられなかった、全編無料公開に踏み切っている点を見ても、かなり独創的なマーケティング手法がとられています。

ニャルラ
何が言いたいかと言うと、版権フリーでありながら、コンテンツとしてはかなり重いのです。

版元のチェックが受けられない都合上、逆に生半可な覚悟で絡んでいい作品ではない、と言い換えてもよいかと思います。

『えんとつ町のプペル ボードゲーム』が炎上した件について

①パクリ疑惑と呼ばれる騒動

ニャルラ
そもそもの発端となったのがこの、ゲームシステムのパクリ疑惑です。

発売前のルール公開時、アレックス・ランドルフ氏デザインの名作『ハイパーロボット』のゲームシステムにとても似ている、と話題になりました。

遊んでみて実際どうなの?

ハスナちゃん

ニャルラ
少なくとも、ゲーム体験のベースは『ハイパーロボット』と似ています。

『ハイパーロボット』を遊んだことがあれば、あのシステムをベースにオリジナルのアレンジを加えたんだなって感じると思います。

ニャルラ
ちなみに、ゲームシステムの著作権については認められていない、というのが現状の共通認識としてあるかと思います。

そこはモラルや映り方、そしてリスペクトが感じられるかどうか等で受け取り手の印象が大きく変わりますよね。

「似ている」「パクリ」では受ける印象にかなりの違いがあります。

ニャルラ
ちょっと脱線しますが、そもそも、今まで全くなかったモノを0から生み出すというのは昨今、少し難しいように思います。

パクリに見えるのか見えないのか、それは見え方の問題で、デザイナーさんのバランス感覚に依るところが大きいのかもしれません。

ニャルラ
考えてみました。

パクリと感じる時の自分の感覚を言語化してみると、以下の2つが影響しているようでした。

  1. 濃度
  2. 普及度
ニャルラ
①濃度は、似ていると感じる要素が全体に占める割合です。

他の要素がたくさんあれば、似ている要素はどんどん薄まっていき、気になりません。

この要素の組み合わせ方こそが現代における創作の主流なのかもしれません。

ニャルラ
ざっくりした例えになりますが、山札からカードを引くという要素は、パクリと感じません。

この要素の濃度が高くなりすぎるというのも考えにくいですが、この要素はオリジナルが分からないほど普及しています。

これが②の普及度です。

「人狼」とか「狩りゲー」とかもそうかーな?

ショゴたん

ニャルラ
確かにそうですね!

その2つは明確にオリジナルが分かってはいますが。

ゴッドイーターが発売されたときは、モンハンのパクリだ!ってなりましたけど、討鬼伝が発売されたときはそれほどでもなかったですよね。

あくまでパクリと感じるかどうかって話よね。

ハスナちゃん

ニャルラ
今回の作品においては、『ハイパーロボット』と同じ要素の濃度が結構高いと感じます。

オリジナル要素の追加はしているのですが、薄まった印象がありません。

個人的には、ですけど。

言ってることは分からないでもない。

ハスナちゃん

ニャルラ
誤解してほしくないのですが、今までになかった新しくて楽しい体験を日夜生み出そうと研鑽しているのがゲームデザイナーさんだということはわかっています。
ニャルラ
ただですね、こんなにお話を聞いてもらって恐縮なんですけど、購入検討している方たちをポカンとさせたのは、ここではないと私は思ってます。

②突然のお詫びと95%off

ニャルラ
上記の指摘を受けて、PREBOさんは早々にお詫び文を発表して対応されました。

非常に真摯な姿勢だったと思います。

が!

ニャルラ
これが結構な悪手だったと思います。
なんでよ、お詫びしたんでしょ?

ハスナちゃん

ニャルラ
内容が想定外だったんです。
ニャルラ
要約するとこんな感じです。

①本件は、原作者の西野さんは無関係であること。

②今後は制作過程のチェックをより一層厳重に行う体制づくりを徹底すること。

③お詫びとして「えんとつ町のプペル ボードゲーム」500部すべてを95%OFFで販売すること。

④今回のゲーム制作に込めた思いや今後の展望。

ニャルラ
この時点で、ユーザーさんたちが気になっていたのは、『えんとつ町のプペル ボードゲーム』と『ハイパーロボット』の関係性です。

システムが酷似しているように見えたため、正式なライセンスを受けているのではないかという意見もありました。

この段階では、実際に現物を触ったユーザーもいないので、そもそもどこまで『ハイパーロボット』に似ているのかも確証がありません。

このあたりに明確な説明がないのです。

ニャルラ
そして、読んでいると「疑念を抱かせたお詫びとして価格を95%off」にするという内容が飛び込んできます。

そう、『ハイパーロボット』との関連性は分からない状態で、ゲームの価格がタダ同然まで突然引き下がるのです。

ニャルラ
これ、何がまずいか分かりますか。
色々あったけど、それでもこのゲームをプレイして、みんなに楽しんでほしかったんでしょ?

ハスナちゃん

ニャルラ
ですね。

そうなんですけど、この作品、完全なオリジナル作品とはいいがたい状態ですよね。

価値であるか?

クトウさん

ニャルラ
そうです。

乱暴な言い方をします。

まず、このゲームが『ハイパーロボット』のゲームシステムをかなり参考にしていると仮定します。

明言されていない以上、これは私の勝手な仮定です。

そうするとどうでしょうか。

『ハイパーロボット』のゲームシステム、そして借りてきた『えんとつ町のプペル』のアートワーク及び世界観の価値を95%offにしてしまったのです。

そういう考え方もあるって話ね?

ハスナちゃん

ニャルラ
そうです。

そういう考え方をする人もいるってことです。

ニャルラ
長くなってしまいました。

このあたりの価値うんぬんって内容は、ブログでゲームを紹介する際にも頭を悩ませていることだったりします。

コンテンツを借りてきて記事にしているという仕組み上、ここは責任を持たなければなりません。

ニャルラ
この騒動の印象については、説明不足が不信感を煽ってしまったように感じています。
あの……そろそろ遊び方を……。

ハスナちゃん

ニャルラ
ですね、遊び方を。

……遊び方なんですけどね。

遊び方〜簡単にルール説明〜

ニャルラ
個人的に、ルールの解読に難儀しました。
ニャルラ
ルールブックが入っていない仕様で、パッケージ裏側面に遊び方が書いてあるんですよ。
なんだ、書いてあるんじゃない。

ハスナちゃん

ニャルラ
いえ、かなり絞られてるんですよね、記載が。

もしかすると、私と同じように遊び始めるのに難儀した購入者の方もいるんじゃないかなと。

ニャルラ
なので正解なのか分からないんですけど、たぶんこうなのかなって。
ニャルラ
ざっくり言うと、特定のゴール特定のコマが辿り着く、最小移動数いち早く見抜くゲームです。

使用するのは、ボードとミープル(コマ)

『えんとつ町のプペル』ボード

そしてサイコロ。

『えんとつ町のプペル』サイコロ

あと、勝利点になるトークンです。

『えんとつ町のプペル』トークン

①ボードにミープルをセット!

ニャルラ
ボードには、〇or✖の印があって、色分けされています。

この色は、ミープルの色と対応しているので、同じ色の〇か✖にミープルをセットします。

 『えんとつ町のプペル』セット1

〇と✖はどっちを選んでもいいーの?

ショゴたん

ニャルラ
たぶんOKです……。
おいがんばれしっかりしろ!

ハスナちゃん

②サイコロを振ってゴールとルールを決定

ニャルラ
誰かがサイコロを3個(3種)振ります。

『えんとつ町のプペル』サイコロ

誰かって誰だーよ。

ショゴたん

ニャルラ
気の利かない子だね!

手のあいてる人がふりなさい!

おいうそだろ。

ハスナちゃん

ニャルラ
この3つのサイコロが何を決めてくれるかというと、今回ゴールさせたいミープルと、そのミープルが目指すゴール地点の場所です。

あと、その回の特殊ルールですね。

ニャルラ
色サイコロで赤が出たとします。

その場合、赤のミープルが、赤の〇か✖のゴールへ向かう最短移動数を考えるわけです。

ゴールが〇なのか✖なのかは、〇or✖サイコロで出た方がゴールになります。

『えんとつ町のプペル』セット2

ねぇ、スタート地点がゴール地点になったんだけど。

ハスナちゃん

ニャルラ
たまになるんですよね。

いきなり破綻するので、ルール解釈を根本的に間違えているのか不安なんですけど、他に考えようがなくて。

どうするーの?

ショゴたん

ニャルラ
振りなおしましょ!

それでほんとにいいのー!?

ハスナちゃん

ニャルラ
ということで進めますね。←

ミープルはマス目を縦か横にまっすぐ移動して1移動です。

何かにぶつかるまで止まりません。

ポイントは、ゴールさせたいミープル以外のミープルも移動させて、壁にして止めることができる点です。

『えんとつ町のプペル』セット4

ゴールさせたいミープル以外のミープルの移動もしっかり1とカウントします。

ニャルラ
これもふまえて、色サイコロで決定したミープルが、決定したゴールにたどり着く最小の移動数を考え、分かった人はその数を叫びます。

『えんとつ町のプペル』セット3

ニャルラ
そのあとに、実際にミープルを動かし検証して、見事合っていればその移動数分のトークンを獲得します
叫ぶのは早いもの勝ちであるか?

クトウさん

ニャルラ
そこなんですけど、

誰よりもはやく数字を「さけんで」勝利せよ!

と書いてあるのですが、

全員がゴールまでの行動数を発表したら、一番少ない数を発表した人がユニットを動かします。

とも書いてあるんです。

ずーっと考えて、一番少ない移動数を考え続けてもいいってこーと?

ショゴたん

ニャルラ
そうすると破綻しちゃうので、とりあえず早い者勝ちで、複数の人がほぼ同タイミングで叫んだ場合は、少ない移動数を叫んだ人の移動から検証って感じで遊んでみましょう。

一番少ない移動数で正解した人だけがトークン獲得ですね。

ニャルラ
タイマーかなんかを使って、しっかり全員の回答を出す遊び方も楽しいと思います。

③ルールサイコロで条件を追加!

ニャルラ
ここまでで登場したのは、色サイコロ〇or✖サイコロです。

もう一個振ってますよね。

それがこのルールサイコロです。

『えんとつ町のプペル』ルールサイコロ

ニャルラ
これは、その回のミープルの移動に影響する、特殊なルールを追加するものです。

出目によっては、かなり思考を巡らせる必要がでてくるため、各々が出す最小移動数にも差が出て面白いです。

『えんとつ町のプペル』サイコロ1
どの色のゴールでもOK

このマークが表示されたら、指定した目的地だけでなく、全てのカラーの○or×を目的地にすることができる。
最も最短でいけるルートを探し、行動数を叫ぼう!

『えんとつ町のプペル』サイコロ2
場所チェンジ

一度だけ、2つのユニットをいれかえることができる。
いれかえたときは行動数+1でカウントする。

『えんとつ町のプペル』サイコロ3
どの色のミープルでもOK

このマークが表示されたら、指定したユニットだけでなく全てのユニットが対象になる。
サイコロで示した目的地に最も最短で行けるユニットを探し、行動数を叫ぼう!

『えんとつ町のプペル』サイコロ4
特になし

指定したゴールと同じ色のユニットを一番行動数が少ないルートで行ける方法を探そう!

ニャルラ
全体的に合ってるかは分かりませんが、この遊び方で遊ぶと、私はすごく面白いです。←

もし遊び方に難儀している方がいらっしゃったら、参考にしてもらえれば嬉しいです。

『えんとつ町のプペル ボードゲーム』のまとめ【評価 / レビュー】

『えんとつ町のプペル』をボードゲームにして欲しかった

ニャルラ
語弊がありますね。

正しくは『えんとつ町のプペル』である必然性を感じたかったです。

「夢」とか「ゴミ」とか、印象的なキーワードも多い作品ですから、パッケージのイラストタイトル以外にも、『えんとつ町のプペル』の要素を楽しみたかったです。

ゲームは面白かったので今後も楽しみ!

ニャルラ
正直、色々ツッコミながら遊んだのは事実です。

ゲーム本体については、マス目にコマがおさまらないとか、QRコードから飛べるルールサイトが結局パッケージ裏と側面と同じデータだったとか箱あかないとか。

そもそもこのボードゲーム『えんとつ町のプペル』関係なくない!?とか。

漂うやっつけ感に、納期との壮絶な戦いがあったのだろうか……と想像してしまいます。

ニャルラもなんだかんだ楽しんでたわよね。

ハスナちゃん

ニャルラ
ですね!

その……あれです。

まぁ色々ありますよね。←

ニャルラ
どうやら500個程度しか生産されていないそうなのでチャンスは少ないかもしれませんが、機会があればぜひ遊んでみてください。

例のあれか……! つって。

ニャルラ
それでは、ここまでご覧いただきありがとうございました!

また別の記事でお会いしましょう!

またーね!

ショゴたん

内容物
  • ゲームボード:1枚
  • ユニット:4体
  • 色決めサイコロ:1個
  • ○or×サイコロ:1個
  • ルールサイコロ:1個
  • トークン:約50個

タイトル

『えんとつ町のプペル ボードゲーム 』

企画・制作

studio PREBO